企業の信頼を守る番人「検査・品質管理・品質保証」

派遣社員の求人でも頻繁に見かけるお仕事。そのまま「検査」と書かれる場合もあれば「目で見て確認」「目視でチェック！」などと表現されることも。製造の各工程の最後に設けられているポジションで、製品を外観を見て「設計図通りに仕上がっているか、不具合や不良品が無いか」を確認し、仕分けるお仕事です。

最も重要なのが「必ず目視で確認する」こと。例えば「重量が数ミリグラム足りない」「寸法が数マイクロメートル小さい」など、単純な数値の違いは機械で測定するのが手軽だし正確でしょう。
ですが、「表面に傷がある」「ちょっと歪んでいる」「パッと見て、いつもと何か違う」など、外見の微細な違いや違和感などは、人間でないと判別し辛いもの。たとえ加工を機械に一任させているといっても、機械は完璧ではありません。メンテナンス不足や人為的なミスがあれば、不良品を作ってしまう可能性もあります。そのため、各工程の最後は人間がチェックして、問題がないかを確かめる必要があるワケです。

ひと昔前までは「品質管理」が中心となって、製品のクオリティを確保していました。当職種の仕事内容は、その名の通り「不良品が作られないように各工程を管理して製品の質を高く保つ」こと。具体的には「製造した製品が、会社の規定をクリアしているか、ＪＩＳ規格など外部の基準に準拠してるかなどをチェックする」お仕事です。品質管理を意味する「Ｑｕａｌｉｔｙ Ｃｏｎｔｒｏｌ」の頭文字を取って「ＱＣ」と呼ばれる場合もあります。

製品を作る際には、各メーカーが独自に設ける「品質ルール」をクリアしなくてはなりません。それに加え、ＪＩＳ規格など会社外部の団体が定めた規格に準じていてないと「不良品」とされる場合もあります。
これらの「決まり事」を守るように製造工程を厳しく監視するのはもちろん、出来あがった製品の品質が合格基準に達しているかを各種テストでチェックする。こうした業務も品質管理の大切な使命の１つです。

品質を守るために「ＱＣ七つ道具」と呼ばれる分析方法を活用して、様々なデータをグラフ化や図面化し、問題点を「目に見える形にする」という、データアナリスト的な一面も備えるのが特徴です。

製品の品質や安全基準の髙さが強く求められるようになった頃から、前途の「品質管理」に加え「品質保証」のポジションが注目されるようになりました。
具体的な仕事内容は「品質に関する社内ルールや、外部団体が設けた品質基準をクリアするための製造ルールの作成」など。つまり「品質保証が作ったルールに沿うように、品質管理が製造工程を管理する」ことになります。
また、品質管理は主に「製造工程」を担当しており、品質保証は「製品の企画段階」から「出荷」まで、すべての工程に携わる場合がほとんどです。

上図は大手食品会社「株式会社ニチレイ」が公開している品質保証体制の一部です。商品開発から始まり、製造、出荷、さらにはお客様への対応にいたるまで、各工程で様々なルールを制定していることが分かりますね。