工場はもちろん、ホテルや温泉施設まで!『ボイラー技士』は縁の下の力持ち!

工場はもちろん、ホテルや温泉施設まで!『ボイラー技士』は縁の下の力持ち!

とっても大きな機械が休みなく働く工場。
この機械、実は「蒸気の力」で動いているものも多いと知っていましたか?
蒸気機関は昔の技術と思うなかれ、今も現役バリバリなんです
そんな強力な蒸気を生み出す「ボイラー装置」
その役割と、扱う人たちについて紹介します!

大きな施設の生命線、「熱」や「お湯」を供給する「ボイラー」

多くの家庭では、給湯器のボタンを「ピッ!」と押すだけで蛇口から熱~いお湯が出てきますよね。このお湯を作っているのが、ずばり「ボイラー」です。
ボイラーとはカンタンに言うと、「燃焼室で燃料を燃やして、お湯や蒸気を作る」装置のこと。みなさんの家に備わっている電気/ガス/石油の「給湯器」もボイラーの一種なんです。

お湯が必要な状況は、家庭以外でも本当にたくさんありますよね。銭湯などの入浴施設はもちろんのこと、会社の給湯室、学校、病院、レジャー施設などなど。人が集まったり、生活したりするところには、規模の差はあるものの必ずボイラーが活躍しています。

工場も例外ではありません。それどころか、見たこともないような大きなボイラーが、さらに巨大な産業用機械を動かしているんです!
巨大なボイラーで大量の水を沸騰させ、その蒸気でタービンなどがぐるんぐるん回転。それが直接的に機械を動かす場合もあれば、発電機に供給する場合もあります。

大きな機械を動かすには、莫大な電力が必要です。蒸気の力というのは絶大なもので、上手に利用すれば電力をさほど使わずに巨大な産業用機械をフル稼働させられる場合も。だからこそ、今の時代でもボイラーが工場でバリバリ活躍しているワケなんですね。

ボイラーを操るスペシャリスト「ボイラー技士」のお仕事

ボイラーの需要は高く、引く手あまたというのは分かっていただけましたか?工場だけでなく、様々な場所で必要とされているため、ボイラーをよく知る人は「どの現場でも重宝される」存在。つまり、職場に困らない可能性が非常に高いということですね。

そんな重要な装置のボイラー。当然「ズブの素人」には、管理を任せてもらえません。それどころか「設置(据付け)」や「製造の一部」にも、資格や講義の受講が必要なほどなんです。小規模の装置なら講習だけでOK。しかし、大規模なボイラーを扱いたいとなると、しっかり勉強して試験に臨む必要があります。

ボイラーを管理するには「ボイラー技士」の資格が必要です。ボイラーを安全に運用させるプロフェッショナルで、動作の確認や監視、点検、安全管理などを担当します。立派な「国家資格」なので、しっかり勉強しないとこの資格は取得できません。

当資格には「特級ボイラー技士」「一級ボイラー技士」「二級ボイラー技士」の2種があり、特級は「全ての規模のボイラーを扱ってOK!」、一級は基本的に「伝熱面積の合計が500平方メートル未満のボイラーを取り扱える」、2級は「伝熱面積の合計が25平方メートル未満」と定められています。

二級の「25平方メートル」というのは「広めの1Kマンションの部屋」に匹敵する面積。このサイズのボイラー装置を見たことがある人は、非常に少ないのではないでしょうか。500平方メートルともなると、ボイラー関連の仕事に就いている人でない限りお目にかかることはありません。

また、ボイラー技士は可燃性の高い燃料に関わる機会が多いため、「乙種第4危険物取扱者」の資格を同時に取得する人がほとんどとのこと。こちらは取得しやすく、ガソリンスタンドで働く学生の中にも、所持している方が多い資格ですね。

二級ボイラー技師になるには、国家試験をパスするのに加えて「実務経験」が必要です。
「免許を取るのに実務経験が必要ってどういうこと?」と思われるでしょう。これは「別のボイラー関係の資格取得者」のほか「一般社団法人日本ボイラー協会」が実施する実技講習を受ければOKです。

ボイラー技士として工場で活躍したい方は、二級の取得からスタートしましょう。一級を受けるには、二級を取得していることが条件。
また、

・学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校等でボイラーに関する学科を修め卒業した者で、その後1年以上の実地修習を経たもの

・海技士(機関3級以上)免許を受けたもの

・ボイラー・タービン主任技術者(1種、2種)の免状を有する者で、伝熱面積の合計が25平方メートル以上のボイラーの取扱い経験者

(参考:一般社団法人日本ボイラー協会のWebサイト)

などの条件を満たしていても挑戦できます。

ボイラーに関する資格は、メンテナンスなどができる「ボイラー整備士」。製造や修理、改修工事の現場などで活躍する「普通ボイラー溶接士」「特別ボイラー溶接士」があります。

いずれも取得にはしっかりした勉強をする必要がありますが、一度手にすれば様々な場所で活躍できます。「ボイラー技士」は、工場や施設の中枢を担う大切な職業。ぜひ、挑戦してくださいね!

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