工場で火花を散らせ!稼ぎも上々の溶接工を知ろう!
小さな部品から大きな鉄材まで、さまざまなモノをピタリとくっつける「溶接」。
工場では、手動から半自動、はては機械によるスポット溶接まで。様々なスタイルの溶接が大活躍しています。
仕事はキツイけど高給取り、そんな溶接のお仕事に迫ってみましょう!
『火花をバチバチ』だけが溶接じゃありません!
分厚い鉄のマスクを装着し、派手な火花をまき散らしながら働く男たち。溶接と聞くと、こんな荒々しいシーンを思い浮かべてしまいませんか?
間違いではありませんが、それだけが溶接ではないというのが実際のところです。恰好だって溶接マスクと防炎素材の服が必須かと思えば、一般的な作業着だけでOKという現場もあるほど。溶接というのは、実に様々な種類のあるお仕事なんです。
上の画像のような溶接のイメージは、主に「アーク溶接」によるものです。工場や工事現場などで「細い棒」を持ちながらジジジと火花を散らしている光景を見たことがある人も多いのではないでしょうか。あれがアーク溶接です。
アーク溶接
強力な放電現象(アーク放電)を利用して溶接をする方法。基本中の基本と言われる手法だけあって汎用性が高く、自動車はもちろん、船や建築現場など様々な分野で使われています。
バチバチと火花を散らす「細長い棒」は電極で、「溶接棒」や「溶接ワイヤ」などと呼ばれています。この棒と溶接対象を接触させて通電させたあとに引き離すと5000℃を超えるアークが発生。その熱で溶接棒などが溶けて対象を固定するという仕組みです。
溶けてしまう溶接棒のことを「消耗電極式」と呼び、短くなった棒を交換する手間があるため大量に溶接するような用途には向かないとされています。
一方、溶接棒が溶けないタイプもあり、それを「非消耗電極式」と呼んでいます。電極の交換が必要ないため、大量の材料を手早く溶接できるのが特徴。工場の求人で見かける「TIG溶接」がこれに分類されます。
代表的な溶接方法には2つあります。上記のアーク溶接が1つ。そしてもう1つは「ガス溶接」と呼ばれる方法です。こちらも溶接のイメージとして一般的ではないでしょうか。
ガス溶接
プロパンやアセチレンといった可燃ガスを使って金属を接合する溶接方法のこと。
上図の「トーチ」よばれる用具の先端から、青白い炎を噴出させているシーンを見たことがある人も多いでしょう(画像は日酸TANAKA株式会社のカタログより抜粋)。
アーク溶接と比べて作業時に発せられる「光」や「火花」が少ないのが特徴です。ただし、ガスを扱うため安全な作業環境をしっかり整える必要がある点に注意してください。
アーク溶接の場合は「溶接作業のみ」に従事する場合がほとんど。一方、ガス溶接の技術者は「溶断(熱で金属の材料などを切断すること)」も任せられる場合があります。
なお、アーク溶接は「業務として作業する場合」を除いて特別な資格などは不要です。ガス溶接はどんな場合であれ「ガス溶接技能者」の資格が必要である点に注意してください。
求人で見かける「半自動」「スポット」とは何ぞや?
工場系の求人を見ていると
「半自動溶接だからかんたん!」
「未経験歓迎!スポット溶接!」
といった文言を目にしませんか?これはどういった溶接方法なのでしょうか。
半自動溶接
一般的なアーク溶接のことです。違いは「溶接棒」に長~いワイヤが使われており、溶接棒の交換頻度が非常に低いこと。交換の手間を減らすことで、大量生産の現場にも「ある程度」は対応できるようになったのが強みです。
スポット溶接
金属の溶接方法には大きく分けて3つあります。
融接
溶接棒などの「溶加材」を溶かして溶接対象を接合させる方法。アーク溶接やガス溶接がコレ。
圧接
圧力をかけて接合する方式。スポット溶接はこの方法。
上下に電極が設置されており、その間に溶接対象をセット。上下の電極が溶接部分を挟み込むことで電流が発生し、その熱と圧力で溶接部分を接合します。多くの場合、溶接作業は機械任せ。いわゆる「ボタンを押すだけでOK」のお仕事ですね。
ろう接
融点の低い「ろう材」を溶かして、溶接対象を接合する手段。身近な例では「はんだ付け」があります。
技術や経験を要する「溶接」のお仕事。業務として作業をする場合は資格が必要であるものの、数日で取得可能なため溶接工へのハードルは低いといえるでしょう。リフトと並び、未経験から手に職をつけたい方にオススメしたいお仕事の1つですね。
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